
あらすじ
日夜ゲームの「プレイ動画」を顔出しで配信している姫宮ありか。チヤホヤされたくて、褒められたくて、愛されたくて、ランキング1位になりたくて……
しかし、女子高生という立場を乱用しても、ランキングトップ10の壁は厚い。
もう限界なのか。なんとかならないものか。そんな時、彼女が出会ったのは、同じ高校の「ゲーム部」に所属する、超絶技巧の「神」ゲーマー。
なりふり構わない彼女は、禁断の手段に手を染める――!
「理想の私」へと歩む、苦しくて甘い、愚かで純粋な、お姫様の物語。
キャラクター

姫宮ありか(通称:姫)
動画配信でチヤホヤしてもらいたい。横暴さと強引さを合わせもちつつ、その心は繊細でさみしがりなお姫様。ゲーム実況動画でランキング上位になるため、禁断の作戦に手を染める。

貴士サトシ(ゲーマー)
姫宮と同じ高校のゲーム部に所属する、超スゴ腕前の神ゲーマー。ゲーム配信の人気が伸び悩む姫宮に目をつけられ、彼女のゴーストプレイヤーとなる。
不満を口にしつつも何でも協力してくれる、頼りになるナイト。

みぽりん
動画配信ランキング不動の1位。ネット世界に降り立った女神、のはず。
姫ちゃんが一方的にライバル視している相手で、物語が大きく動く第6話では、姫ちゃんとみぽりんの直接対決も。

ゲーム部 部長
姫宮と貴士が所属するゲーム部の部長さん。少しウザいけど元気で親しみやすい先輩です。
前作主人公とのウワサ。
用語解説

▼ゲーム配信
ゲームをしながらリアクションしたりコメントしたりツッコミを入れたりする、動画サイト等で人気のコンテンツ。
動画を撮影して編集するパターンや、リアルタイムで視聴者からのコメントとやりとりしながら行うパターン、顔を映してワイプで表示する形やゲーム画面に声だけ入れる形、音声読み上げソフトを使用する、電脳世界のキャラクターとして実況するVtuberという形などさまざまだが、姫ちゃんが行っているのは顔出しの生配信。人気になればなかなかにお金も稼げるとか。

▼ランキング1位
姫ちゃんがゲーム配信を行っているサイトでは視聴者の数や評価に応じてランキング入りできる。物語開始時の姫ちゃんは11位が最高ランク。配信サイトによっては人気が人気を呼ぶ仕組みなので、女王が君臨したら逆転するのはなかなかに難しい。

▼Mai-HiMe
姫ちゃんが動画配信するときのユーザー名。配信サイトによってはゲーム人気からわりと他言語圏の視聴者も入ってくるので、それを意識したグローバルなネーミングだと思われる。音に「My」文字に「I」「Me」と入っているのはそれっぽいが、これはたぶん偶然。

▼初見さん
生配信の文化で、初めて配信を見る人は「初見です」とコメントしがち。それに対し「初見さんこんにちは」「初見さんいらっしゃい」と応えてあげると新規視聴者の心をつかめる、はず。文化自体が日本特有なので、他言語圏ではどのように翻訳すべきなのか謎。

▼イカトゥーン2
イカっぽいキャラクターが絵の具っぽい液体をかけ合って対戦する、動画配信で人気のゲーム。4対4で戦うらしい。

▼触覚ヘア
前髪ともみあげの中間あたりの髪を、顔に沿うように長く伸ばした髪型のこと。小顔効果があるらしい。なぜか姫ちゃんには不評。か。

▼ゲーム部
高校の中に部室を持つれっきとした部活動。好き勝手にテレビゲームや携帯ゲームをしていることもあるが、人が集まったらボードゲームで遊ぶ。今月の目標は「カードをなくさない」らしい。

▼魔剣ツヴァイリング
貴士くん(ゲーマー)がゲームをするときのユーザー名。ツヴァイリング(Zwilling)とはドイツ語で「双子」を意味する言葉で、包丁などを取り扱う世界で最も古いブランドの一つだと言われるメーカー「ツヴィリング・J.A.・ヘンケルス」などで有名。高校生で魔剣とか名乗るのは少し珍しいけれど、腕前がめちゃめちゃ高いからなのか、特に作中でイジられることはない。

▼ゴーストプレイ
ワイプで映っている配信者がゲームをプレイしているように見せかけて、実際は他の上級プレイヤー(ゴースト)が操作しているところにそれっぽくアテレコする技術。動画なら台本ありきでなんとかなるが、生配信でやるのはなかなかに苦行。企画としてやるのは面白いものの、場合によってはバッシングを受けるので注意が必要です。

▼ラグ
インターネット回線の都合により、配信者と視聴者の間には数秒~数分の時間のズレ(タイムラグ)が生じる。姫ちゃんはこれを逆手にとって、あえて50秒ほどのラグを作ってから配信することで、ゴーストプレイをバレずに成立させようと企んだ。

▼姫の部屋
汚部屋。配信で映るスペースだけパーティションで区切って整えている。
▼応援イラスト
「姫とゲーマー」連載時に、イラストレーターの方々に依頼して告知・宣伝用に描き下ろしていただいた作品イラスト。キャラクターのかわいさがあふれるもの、作中とは雰囲気が違ってまたひとしおなもの、ゲームということでドット絵で作成いただいたものなどさまざまに楽しむことができます。