過去の受賞(連載決定)作品

「どんな作品を応募してみればいいか分からない!」「この作品を応募するとどんな見方をされるの?」「応募前に作品をもう一段階レベルアップさせるアドバイスがほしい!」という人のためのヒントとして、これまでGIGAZINEマンガ大賞で連載が決定した作品について、どのように審査で評価されていたのか審査コメントとともにお届けします。

miyazono

すこやか「秘密の宮園」マンガ・ネーム応募作品

▼あらすじ
「友達ができない体質」の宮園花音が出会った、自分と同じ名字を持つ少女・宮園凛音。凛音は宇宙飛行士として活躍するために開発されたアンドロイドだと名乗り、その活躍の見返りとして「誰か好きな人と結婚してアンドロイドにする」ことを認められていた。花音とは真逆の、明るくて行動的で笑顔を絶やさないアンドロイドの凛音が、花音の人生に大きな渦を巻き起こしていく。

▼編集部講評
完璧に完成されているマンガではなくても、キャラクター、画力、シナリオ、何かひとつ満たしていればよいものが出来上がる未来が見えてきます。この作品はとにかく、ほのぼのした展開に強いSF設定を挟み込むタイミングや見せ方だったり、導入からフリとオチの見せ方だったり、物語の「構成力」が強い。また、キャラ同士の基本的な掛け合いがテンポのいいボケとツッコミとして機能していて、展開的には退屈にさせてしまうフリの部分でも「勢い」があって読ませる力がありました。

▼審査員コメント
SF設定が強めながら、全体的にSFっぽさを感じさせないとっつきやすさが良かったです。キャラクターのフェチ的な部分に注力して描ければもっと良くなると思います。セリフや行動が勢い重視な分、説明する情報の順序や取捨選択、ターゲットとなる読者を想定した展開や感情の動き、を意識できるとよいかなと思います。

トラ太郎「あめあめふれふれうそやんで」ネーム応募作品

▼あらすじ
雨を愛する少女・奈緒(ナオ)が出会ったのは、暗い顔をした転校生・海唯(カイ)。止まない雨とともにやってきた、「雨が嫌い」と突き放す海唯は、世界に「人災」をもたらす「雨男」だった。生まれてから一度も太陽を見たことがないという海唯の心を晴らすべく、奈緒は海唯の手を取って走り出す。

▼編集部講評
「雨男」を軸にした設定と物語が、SF的でもファンタジー的でもあって単純に面白い。また、会話が続くシーンの絵的な見せ方とか、「決め」のシーンまでのコマ割りとか、映画監督のような演出面がズバ抜けていました。派手なギミックや分かりやすいポップさは欠けるものの、シナリオは安定していて「雨」という情景にも普遍的な力があるので、読んでさえもらえれば評価をもらえる強い作品だと思います。

▼審査員コメント
白黒ネームだけで問題なく読めるくらいによくできていました。ただその一方で、フルカラーになったときの「1枚の魅力」の意識は欠けているように感じるため、ストーリーを伝える絵というだけではなく「見るだけで魅力的な絵」を入れるようにできるとよいと思います。話が濃くなっている反面、1ページ内にコマを詰め込む傾向にあるので、すっきり読みやすくする意識のほか、1話ごとに見せ場や山場を作るのが大事になってくると思います。

yushachiku

つまびく「勇者で社畜の兼業ライフ」(応募時タイトル『最弱勇者、ゲーム会社の社畜を兼業して最強に!!』)原作脚本応募作品

▼あらすじ
魔物がはびこる世界・コナムのダメ勇者、クズール。厳しくも頼もしい仲間たちの助けもあってなんとか魔物退治を続けていたクズールは、今なぜか日本のゲーム会社で働いていた。愛すべき仲間たちとは離ればなれだけど、ここには魔王も魔物もいない。代わりにあるのは積み上がる仕事と目がうつろな同僚と魔物より怖い上司と……あれ、こっちのほうがしんどくない? しかし、クズールを待ち受ける本当の地獄はここからだった――!

▼編集部講評
設定は一見すると流行の型でベタですが、そこにオリジナルに伝えたいこともやりたいことも強く組み込まれていて、起承転結もしっかりしていて連載のイメージができました。キャラクターは少ない描写の中でも魅力的に造形できていて、エピソードや小ネタの部分はベタやパロディに偏りすぎず自身の経験や知識から膨らませていて読み応えがあります。
ただ、プロットは優れている一方で、1話脚本は小説形式すぎてマンガの原作に合わなかったため、「審査としては入賞まで進めないが、打ち合わせして連載へ」という形になりました。

ouboyumeki

ゆめき 作画応募
※作画部門では、最初に送ってもらったポートフォリオで審査を行った後、ショートストーリーのマンガ脚本から作画していただいたもので改めて審査を行いました。

▼編集部講評
圧倒的な安定感があり、表現の幅も広い。それぞれのカットは悪く言うとのっぺりした印象をうける時もあるが、決めのシーンはしっかり強く魅力的に描けていて、最低限の文字情報からマンガに起こす形としては理想に近い。
絵柄や好みもあると思いますが、デフォルメしたようなちびキャラはとてもかわいらしい一方で、頭身をしっかりとったキャラクターの一枚絵は改善の余地があるかも。マンガを描く能力は高いので、イラストを何枚か描いてみて、そちらの能力を磨いてみるのも面白いと思います。
コマ割りが少し単調なので演出面をもう少し伸ばしたり、デザインや見せ方から魅力的なキャラクターを産めるようになったりできるとさらによく、敵無しになるのでは。

ヒャク 作画応募
※作画部門では、最初に送ってもらったポートフォリオで審査を行った後、ショートストーリーのマンガ脚本から作画していただいたもので改めて審査を行いました。

▼編集部講評
ポートフォリオで送っていただいたイラストは二次創作・オリジナルともにレベル十分で、メカや武器などをよく描いていて引き出しが多いのもポイントが高い。
キャラクターの絵がとにかくかわいくて、今風な絵柄でもありウケやすいと感じました。キャラクターの絵には文句の付け所がない一方で、テキスト脚本からマンガに起こした時のコマ割りは少し苦手な印象で、縦横に平行に区切るだけでもう少し工夫がほしい。それを補って余りある絵の力はあるので、数さえこなせばめきめきレベルアップしていくのが見てとれます。